春を感じる野菜といえば山菜と並んで筍ではないでしょうか。

でも、ぬかを使った下茹でや皮をどこまで剥けばいいのか、など手のかかる印象しかなく、つい水煮を買ってしまうのが昨今のパターンでしょうか。

今回は、がんばって生のタケノコを料理して、春の口福を味わうことにチャレンジしていただきたいと思います。

 

筍の成長の早さを表すのに「雨後の筍」とゆう言い表しをしますが昨今は生産者の方の知恵で、一か所の栽培地でずいぶん長い間小ぶりの物が出荷されているようです。

 

「筍=あく抜きが大変」のイメージですが、きちんと手順を踏めば下ごしらえも意外と簡単ですし、水煮しておけば3日ほどは香りを保ったまま保存でき煮炊き物でも楽しめます。

もちろん、元々のあくが少ない方が良いので、まず鮮度の良いものを選びます。

ポイントは

・周りの皮が乾いていない物

・底の部分が乾いていない物

・皮と身の間に隙間が無い物(握ってみてクッションが無い物)

あとは、小ぶりで先に青くない物(土から顔を出して陽にあたったものは光合成が進み先が青くなります、この状態になると一気にあくを持ち始めます)

 

焼き筍の魅力は香り・味・食感の三位一体。

これを楽しむために、あく抜きのための下茹でを軽めにしますので、より一層、物選びが重要となります。

焼き筍のおいしさのポイントは、煮炊きでは味わえない凝縮した素材の味と香り、食感です。このため、できるだけ水分の含みを抑えて硬めに茹で上げることと、反面あくをしっかり抜くことが必要です。

このために、新鮮な筍を多めの米ぬかを入れて、やや短く水煮をします。また、煮あげてから煮汁に漬け置く時間も重要です。

 

材料

筍     600g *1本/150g~200gの物

米ぬか   100g

鷹の爪   小1本

水     約1.6L

 

「つめ(かけたれ)」

三温糖    60g

濃口醤油   60cc

 

木の芽    数枚

 

調理法

①筍に包丁を入れます。

 皮目についた、泥などを洗い落とし、根っこの部分を薄く1枚と先の部分を切り落とします。

 次いで、縦に根元側から浅めに、穂先に行くにしたがって深く包丁を入れます(写真参照)

*この包丁の入れ方で早くアクが抜け、短い時間で火が入るので、食感を残しつつ、アクを抜くことができます。ポイント

 は、身の部分に当たらないように、穂先と余分な皮の厚みに包丁を入れること。

 ちょっと難しいけど、皮をむいた筍の姿をイメージして包丁を入れてください。

②水煮(あく抜き)をします。

深めの鍋に、①の筍、米ぬか、種を抜いた鷹の爪、水を入れ落し蓋をして中火にかける。

沸騰寸前に弱中火にして、そこから45分~50分茹でる。

*弱中火にしてからは、吹きこぼれない範囲でできるだけ強い火を維持する。

  茹で終わり時に、茹で水が4割がたに減っているとベスト!

火を止めて、冷ましてから冷蔵庫で一晩(10時間目安)置きます。保存する場合は2~3枚剥き、煮汁のうわずみを容器にとって、これに浸して冷蔵保存する。

③つめを作る

小鍋に三温糖と濃口醤油を入れ、中火で煮詰めていきます。

テーブルスプーンを用意して、煮詰まってツヤが出てきたらスプーンに付着させて、熱をとって詰まり具合を見ます。やや硬めの蜂蜜ぐらいが目安です。

*いたってシンプルな「つめ」ですが、傷まないので多めに作って持っておくと、山芋などの素焼をシンプルに素材を味わいたい焼き物に重宝します。

④焼き筍

下茹でした筍は、皮を剥き根本のポツポツを落として、根本の硬い部分と穂先の柔らかい部分の切り分ける。穂先の方は、縦1/4に切り分け共に水洗いして強火の焼き網で、ところどころ色が付くまで返しながら焼く。

 

⑤盛り付け

先に向いた皮を洗い、水分を拭き取って適当な大きさに切り、皿において枕にする。

焼いた筍を、盛り付けつめをかけ、木の芽を添えて供する。(写真参照)

 

*水煮が残ったら

定番の若竹煮も。

切り出してから、再下にしてから

合わせだし500cc

日本酒50cc

味醂100cc

薄口 *お好みで70cc~

で弱火で20分コトコト焚いて一旦冷ましてから温めなおして供します。

そして、もう一つ「筍ごはん」!

筍を細かく乱切りにして、煮汁を水で1,2倍に希釈して。刻んだ筍お揚げとご飯を炊くと、市販の水煮筍とは別格のうまさの筍ごはんが味わえます。

  

筍の切り口

身が詰まっていない部分を切り落とす
身が詰まっていない部分を切り落とす
切り目を入れる角度は身の形状をイメージして
切り目を入れる角度は身の形状をイメージして
4割がた煮詰まっても茹で汁がかぶるように深い鍋で煮ます
4割がた煮詰まっても茹で汁がかぶるように深い鍋で煮ます

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