豆腐と胡麻を練った衣で野菜を和えた料理「白和え」
もともとは、精進料理で不殺生の素材からたんぱく質を取る工夫が生んだ料理。豆腐のやわらかな甘みと胡麻のコクが活きた衣は、素材に染み込むではなしに絡まり、野菜の個性をまとめてくれます。
このため、白和えはいろいろな野菜を合せた五目仕立が一般的ですが今回は、一種類の素材の旨みを味わう手法として用いてみました。
人参は根菜の中でも、香り味共に個性があり煮炊き物のアクセントとして欠かせない素材。
ただ一般的には色味のために使われることが多く、その旨みが今一つ生かされていないように思います。
千切りにし蒸した人参は、独特の甘みと香りが生まれ、煮炊き物では味わえない個性を発揮します。これに味と香りのアクセントとしてしめじを加えることで口飽きのしない一品としました。
材料 4人分
人参1本(約200g)
しめじ1/4パック
白和え衣
木綿豆腐150g、白練り胡麻5g、上白糖5g、薄口醤油小さじ1杯、塩ひとつまみ、酒数滴。
作り方
木綿豆腐を網バットなどに置きクッキングペーパーをかぶせ、その上に保存容器などに水を入れた重石をのせ1時間ほど水抜きをします。
*軽く指で押して水が浮いてこなければ良し。
人参を良く洗い、皮付きのまま4㎝ほどの長さに切り分け、2mmほどの厚さにスライスし、重ねて千切りにします。
しめじは、石附をはずしてほぐします。人参、しめじをざるに広げ、蒸し器で強火で約3分、人参がしんなりするまで蒸します。
取り出したらうちわなどで煽い粗熱を取り、常温になるまで取り置きます。
水切りした豆腐、調味料をボールに入れ、ホイッパーでつぶしながら、なめらかになるまでかき混ぜます。
*フードプロセッサーを使う場合は豆腐の粒が無くなるところを、出来上がりとします。
ボールに、人参、しめじ、衣を入れ、和えて器に盛ります。
*本文は2014年共同通信社より配信されました 「やさいの料理塾」初稿を編集したものです。